top of page
検索


即興小説「地球最後の電子音楽」下
五億年、泣き続けることができたという意味においては、やはり、生まれて良かったのであろう。 少年はそう思うことで、宇宙という巨大な海の中、小さな小さな宇宙船という牢獄に自分を閉じ込めてしまったことに気づいたときにはあとの祭り、「『後悔がないように……』と地球を爆破しなければよ...


即興小説「地球最後の電子音楽」上
新しい自殺の方法を考える。 そのスイッチを押すと、自分以外の全ての人間が命を失う。 そこには人類の置き土産、世界には、人間の手を離れた自然とインフラが遺されていた。 自動操縦で回り続けるものだけが文明を継続する。 それ以外のものは、それぞれの方法で停まる。...


即興小説「声、故障」
昔々あるところに、というよりも、昔からどんなところにも、何よりも声を大切にしている少女が暮らしていました。 少女は毎日死にたい死にたいと考えていたので、心の瞳を既に殺していました。 それは初めて世界に瞳を見開いた瞬間に少女が行ったことでした。...
bottom of page