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即興小説「地球最後の電子音楽」下
五億年、泣き続けることができたという意味においては、やはり、生まれて良かったのであろう。 少年はそう思うことで、宇宙という巨大な海の中、小さな小さな宇宙船という牢獄に自分を閉じ込めてしまったことに気づいたときにはあとの祭り、「『後悔がないように……』と地球を爆破しなければよ...


即興小説「地球最後の電子音楽」上
新しい自殺の方法を考える。 そのスイッチを押すと、自分以外の全ての人間が命を失う。 そこには人類の置き土産、世界には、人間の手を離れた自然とインフラが遺されていた。 自動操縦で回り続けるものだけが文明を継続する。 それ以外のものは、それぞれの方法で停まる。...


詩「言葉で傷を縫うなら蝶の翅を」
言葉を紡ぎ、傷を縫う。 そのかさぶたが渇いて立ち上がると、まるでコンクリートに脚をつけ翅を広げ何かを待つ蝶のような縫い目を見せた。 その蝶はきっと、蛹であった頃を懐かしんでいる。 まだ幼さに浸っていたい。 だから 幼虫の頃のように、...


詩「人類は」「人類は」「人類は」「そう人類は、月ばかり見てきました」
「白紙の枝」 「枝に名前はない」 「枝は裸」 「聴こえる必要は無いんです。僕の声はここにありますから」 「耳をすましてください。これだけたくさんの人がいても、誰かの話し声ってあまりここでは聞こえませんね」 「角はありますか?」 「角が生えたことはありますか?」...


即興小説「声、故障」
昔々あるところに、というよりも、昔からどんなところにも、何よりも声を大切にしている少女が暮らしていました。 少女は毎日死にたい死にたいと考えていたので、心の瞳を既に殺していました。 それは初めて世界に瞳を見開いた瞬間に少女が行ったことでした。...


詩 「春一番は ラブレター じゃない」
春一番は ラブレター じゃない 勝手に 読み上げるようにピアノを弾いてみる 誰にも聴こえないピアノがどこにでもあるように 道端で みんな心の中で歌い続けていた うまいも下手も感動も賞賛も関係ない歌がたくさん流れる世界の中で あなたの歌声を捕まえに行きたかった...


詩 「春の子の祈り」
祈りは交換できない つまりは新しい時代がやってきたんだよ 交換できないものを与え合う世界 つまりは個性を表現して個性を発信する世界 それは交換なんてできないんだよ だからこそ交換しようとすることを その生き様をみてそれを信頼と呼ぶのであろうし...


詩「永遠からの手紙」
再啓 通り魔のような 稲妻に打たれて 無事 『ひまわりの霊感』が 弾けるようになりました いま あなた自身には見えない あなたの中の 無人島にある 『双子山映画館』にて この 「永遠からの手紙」を 綴っています ここでは 産気づいたイグアナたちが 入口で...


短歌&詩「月が綺麗ですね」「裏側もまた」
君の「好き」僕は涙の臨界点シンギュラリティ「いつ逢えますか?」 「死なない程度のラブソングばっか聴く中毒なら落書きでいい」 「何も語りたくないときはふれるに限る」と転送されても 告白はため息生み出す風穴で蜂の巣描いて身体の責任...


歌詞「短歌男女」第一話「初見月/拒絶太陽」
指先で 光り輝く 書く恋慕 本当の君が 部屋にいるのに 白紙で 触れて 白い月 音は 影に香りに 白紙で触れて 白い月 音は 影に香りに 言葉重ね 空砂漠化け縛る空青になる あ つ い から じゃない あたたかいのにね ああ(悲し) 思い通りにならない 鍵盤がある...


詩「ラブソング星人」
主に夢に生息 ラブソング星人 タイムリープしないで たまに街で見かけて ラブソング星人 あなただけ別次元? 急にさらうUFO ラブソング星人 わたし解剖されて 日本語を覚えて ラブソング星人 「好き」と発語してみて ここには空気があるわ 風まわし踊る恋 火星よりも近いよ...


詩【最後の龍】ポエブックス0 ミクロモアイ詩集『最初の龍 ひとつぶのあらし』より
最後の龍 龍は脱皮する 少年は青い海の中で その抜け殻と戯れる 白く透き通ったその皮に そっと指先をつけるその度に 少年の過去が ひとつ またひとつと 未来へと昇華されていく 少年の中に 数々の思い出がよぎる しばらくの間 少年は 泣いたり笑ったりする やがて少年は...


詩【残像】ポエブックス0 ミクロモアイ詩集『最初の龍 ひとつぶのあらし』より
それは 真昼の空に太陽を 眺め入るようなもの それは 形ある雲を耳のうちに つなぎとめるのにも似ていた そして、わたしにさえわからないというのに なぜ、あなたにだけはわかると? 岬に立つ眼を見出せば すべて天に帰す喜びもうちに いってしまうのですね 何も かもが


詩【序詞 寄せては返す 永遠のように】ポエブックス0 ミクロモアイ詩集『最初の龍 ひとつぶのあらし』より
序詞 「寄せては返す 永遠のように」 ひとはやがて、『詩人』になります。 『詩人』という名の アンテナを通して、 あらゆるものごとを 『詩』と感じ得るようになります。 交し合う言葉は すべて 詩の朗読となり、 聴こえる音は すべて、 音で表された言葉になります。...
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