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執筆者の写真AI UEOKA

詩 「鏡の風」






『鏡』でできた風の舞う 

そんな惑星がありました 

 

その風は 

どんな『鏡』よりも美しくなりたいと願っていました 


 

「誰からも愛され 

誰からも見つめてもらえる 

そんな『鏡』になりたい」


この星に 

風が生まれたその日から 

「鏡の風」は星をまわりつづけ 

さまざまなものを

その透明な肌に宿していきました  









「愛を読み解くために 

嵐にさえなりたいのに」



誰も 

見えているようで 

視えていない  


誰かという『鏡(フィクション)』を通じて 

自分の表情を読み解けることだってあるのに 

 

自分の心に空いた穴に 

気づくことだってあるのに 

 

今ここにいる自分から 

誰かと出会った瞬間までを引き算する 

 

するとそこに 

穴が空いていたと気付く 

 

そう 

それはまるで節穴 


だからこそ 

その節穴のメガネでしか

視えないことだってあるのに…… 


この空に 

キミを想う気持ちを

クモの巣のように張り巡らせ 

この嵐を言葉に換えるみたいに 

キミを知り尽くしたい 


「わからない」ということが 

「わかっている」からこそ尚更に 


それが 

ひととひとがそばにいたいと願う 

本当の理由なのかもしれない 









「美しいものは常にボーダレスなのかもしれない」



言葉は好き 


でも 

言葉で心を映すのって 

そんなに簡単じゃない 


だから空になる 

だまったまま 

空を見つめる 


この空はみんなのふつう 

ふつうだからこそ 

誰もこの雲の形を

おぼえておくことはできない 


だからこそ空は 

こころをそのまま写し出すことができる 


でも 

それを言葉にかえることはできない 


だけど 

言葉にしたい 










「鏡の風」は 

やがて「空」になりました 


「鏡の風」は 

この星のあらゆるものを写し出し 

その果てに 

なにものにもとらわれないものへと進化したのです 


この星で生まれ 

死んでいったいのち 


何かを見つめる瞳 


人と人の節穴を「鏡の風」は結びました 


時の川を自由に行き来しながら 

あらゆる「つながり」を

結び合わせることで 

この「大空」へと

生まれ変わることができたのです 



「鏡の風」は内緒にしています 



この世界自体が鏡であることを 



二人が鏡であることを 

互いをつなぎ合わせ 

結び付けるものは何か?


 

そんなクイズを解くために 


二人がそばにいることを 


選びつづける 


その意味を  

















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