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執筆者の写真AI UEOKA

詩【序詞 寄せては返す 永遠のように】ポエブックス0 ミクロモアイ詩集『最初の龍 ひとつぶのあらし』より





序詞 「寄せては返す 永遠のように」

ひとはやがて、『詩人』になります。

『詩人』という名の

アンテナを通して、

あらゆるものごとを

『詩』と感じ得るようになります。



交し合う言葉は

すべて

詩の朗読となり、

聴こえる音は

すべて、

音で表された言葉になります。

世界を構成する

最小単位の粒子を、

『詩』という『名前』で表すのが、

最も適していることに

気付きはじめます。


『詩』という粒子のもとに

世界はひとつに結ばれている訳ですから、

各々の詩感にしたがいながら、

同時に、

互いを等しく感じられるようになります。

すべての『詩』は等しい。

ゆえに自由です。

ひとはみな、

やがて『詩人』になります。

『自分』の『名前』を、

自分で決める権利を得る、

そんな世界がやがて訪れます。



自分という『名』の『詩』を

各々好きに描きながら、

『時間』で『詩』を描きはじめます。



その『詩』を互いに通わせ、

世界をひとつの全体として統合した時、

最も巨大な『詩集』が完成します。

それが、宇宙の生誕です。



宇宙は、一陣の風でもあります。

風は、宇宙の「こころ」です。

わたしたちは、

『風(こころ)』となり、


宇宙の裏側で、

『影(こころ)』として、


音もなく

闇の中を響き渡ります。



音がないゆえに時もなく、

時がないゆえに

すべてがそこにあります。

その一粒の嵐が、「無の揺らぎ」です。

寄せては返す


波のように、


誕生と、


無を、


くり返す


その円環を、


『永遠』


という名前の


『言の葉(しおり)』で、


つかまえ続けることを、


わたしは『詩人』として、


自分に課していたいと、


思っています。







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